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スンダランドより流れ寄る椰子の実ひとつ

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スンダランドより流れ寄る椰子の実ひとつ

島崎藤村の「椰子の実」は有名な曲だが、その原案が民俗学者の柳田国男だというのはあまり知られてない。明治31年、柳田国男が愛知県に滞在した時、伊良湖岬の浜辺で見た椰子の実に、壮大な仮説を思いついて、一生をかけてそれを研究するんだが、それは「日本人のルーツは南の島から流れ着いた」という物だ。

名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ
 故郷(ふるさと)の岸を離れて 汝(なれ)はそも波に幾月

旧(もと)の木は生(お)いや茂れる 枝はなお影をやなせる
 我もまた渚を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝の旅ぞ

実をとりて胸にあつれば 新たなり流離の憂
 海の日の沈むを見れば 激(たぎ)り落つ異郷の涙

思いやる八重の汐々 いずれの日にか故国(くに)に帰らん

柳田国男は自分の仮説を熱く、島崎藤村に語って聞かせた。ただ、柳田国男は高級官僚だったので、その仮説はなかなか表に出せなかった。戦前の日本で、日本人のルーツが南の島から丸木舟で流れ着いたなんて学説をおおっぴらに語れるわけがない。まして、官僚がw その思いを汲んで、友人の島崎藤村は柳田国男の日本人南方起源説を「椰子の実」という歌にした。

■幻の大陸スンダランドからやってきた海人たち
では、南部九州になぜ、最先端の文化が花開いていたのだろう。東南アジアの幻の大陸・スンダランドからやってきたのではないかとする説がある。
スンダランドはマレー半島東岸からインドシナ半島にかけて、寒冷期に実在した沖積(ちゅうせき)平野で、地球規模の温暖化によって海水面が上昇して住める土地が減少していった。すると住民の一部が5万~4万年前に北上し、東アジアや日本列島にたどり着いている。
彼らが日本列島の旧石器人にもなった。さらに、ヴュルム氷期(最終氷期)が終わって海面がさらに上昇すると、スンダランドは水没を始めた。
小田静夫は、この時、スンダランドを脱出した人間の中に、黒潮に乗って直接日本列島にやってきて、南部九州に定住した人びとがいたのではないかと推理している(『遥かなる海上の道』青春出版社)。

それから120年。スンダランドという言葉がやっと、語られるようになった。ムー大陸もアトランティスもあったかどうか疑わしいが、スンダランドは紛れもなく実在した。

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